なぜ、ビリー・アイリッシュはグリーンヘアを選んだのか
ビリー・アイリッシュといえば、真っ先に思い浮かぶのがグリーンとブラックのコントラストが印象的なヘアスタイル。2019年ごろからこの髪色を貫き、ファッションアイコンとしての存在感を確立しました。
この大胆な色合いは、ただ目立つためではありません。むしろ彼女にとっては「ありのままの自分を受け入れる」ための手段でした。常識や流行に流されることなく、自分の意思で選んだ色。それがグリーンだったのです。
ビリー自身は髪色の理由を詳しく語っていませんが、当時のインタビューや彼女の楽曲から感じられるのは、強い自己表現への意志です。ヘアカラーはメッセージであり、自分らしさを形にするための大切なピース。そこには、他人にどう見られるかよりも自分がどうありたいかが込められていたのかもしれません。
好評と戸惑いが交錯したファンのリアクション
印象的なグリーンヘアは、瞬く間にSNSで話題に。海外のティーンを中心に「真似したい!」という声が広がる一方、「派手すぎる」「理解できない」といった意見も見受けられました。
ファッションは個性を映す鏡。それが著名人であれば、より強く注目され、賛否の声が集まります。ビリーのスタイルはまさにその象徴であり、「好き」「嫌い」の二極化も彼女の魅力のひとつです。
また、彼女のグリーンヘアは、楽曲の世界観や衣装ともリンクしています。ミニマルで無機質な音と、ダークで内省的な歌詞。そのすべてに調和するように、ビジュアルとしての髪色が機能していました。自分の中の違和感やもやもやを、言葉だけでなく見た目でも表現する――そんな内面的なメッセージも感じ取れます。
ブロンドへの変化に込めたもうひとつの意味
2021年、ビリー・アイリッシュは突如として金髪姿に。これまでのグリーンから一転し、柔らかくフェミニンな印象へと変化しました。
このイメージチェンジは、彼女自身の心境の変化を表しているようでした。過去の反骨的な自分から、新しいフェーズへ。髪色の変化は、内面的な成長を示すひとつのサインとも言えるでしょう。
ビリーにとって、ヘアスタイルはファッションではなく気持ちの表れ。過去を引きずるのではなく、そのときどきの自分にぴったりな姿を選ぶ。だからこそ、どんな色であっても嘘がないのです。
グリーンのときも、ブロンドのときも。どちらも、ビリー・アイリッシュという人間のリアルな断面であり、ファンにとってはそれを目の当たりにできる特別な時間でもありました。
色に込められた意思。それが、ビリーを唯一無二の存在にしているのです。